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病気 / 障害
最終更新日 : 2021/02/21
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発達障害って何だろう? ASD、ADHD、LD実は区別が難しい?!

 席に座っていられない、場面に合わない行動をしてしまう、コミュニケーションが難しい、字を読むのが難しい・・・一昔前では「本人の努力不足」とか「親のしつけがなっていない」と言われてしまうこともありました。「個性」として片付けられていた面もあるでしょう。しかし、今では脳機能による問題であることがわかってきました。100%解明された訳ではありませんが、数々の研究から有効な療育の方法や診断の方法も開発されてきています。
 「発達障害って何となく聞いたことはあるけど、よくわからない。」という方はまだ多いと思います。正しい知識を身に付けておかないと「あの人は発達障害だから」と間違った差別を産む可能性もあります。では、発達障害とはどのようなものなのでしょうか?見ていきましょう!

発達障害って何?

 冒頭で「発達障害は脳機能の問題からくるものである」と話しましたが、厳密に言うと違います。発達障害とは、日常生活や社会生活に支障をきたしている状態のことを言います。発達障害とは次のような状況で現れます。

     

発達特性:脳の働き方の違いにより、定型発達とは違う認知の仕方や行動が出てくること。
環境因子:発達特性に適していない環境のこと。


 つまり、脳機能に問題があり、それを受け入れられる環境がなかったり、正しい指導を受けられなかったりすると発達障害(不適応)として現れるわけです。

 例えば、学校で離席が多いお子さんに対して、「座らなきゃダメだろ!」「なんで座れないんだ!」と叱る指導と、「◯◯くんこれを配ってくれるかな?」と動くための適切な場面を用意してあげる指導、どちらが有効でしょうか。前者はお子さんに心理的ストレスをかけ、ただ困り感を得るだけでなく、恐れもあります。多動性は年齢を重ねるごとに改善される傾向がありますので、後者のような指導をすれば本人にとってバリアとなりにくいと考えられます。

 お分かりでしょうか。発達障害とは脳機能にも原因がありますが、と言う側面もあるのです。障壁は本人の中ではなく、環境にこそあるともいえます。

どのような障害があるの?

 アメリカ精神医学会のDSM-5「神経発達障害」(Neurodevelopmental Disorders)では次のように分類されています。

・知的能力障害
(Intellectual Disabilities)
 知能検査のIQ測定だけでなく、概念的、社会的、実用的の3領域から医師の臨床所見を加えて診断をします。

・コミュニケーション症
(Communication Disorders)
 状況や相手に応じてコミュニケーションの手段を変えることが難しいことが特徴です。

・自閉スペクトラム症
(Autism Spectrum Disorders)
 社会的なコミュニケーションの難しさや、限られたものへの反復的な行動や興味が見られることが特徴です。

・注意欠如・多動症
(Attention Deficit /Hyperactivity Disorder)
 日常や社会生活に支障をきたすレベルで多動性、衝動性、不注意またはそのいずれかが持続している状態のことを言います。

・限局性学習症
(Specific Learning Disorder)
 読み、書き、計算のいずれかの領域に関して、著しく欠陥が見られることが特徴です。

・運動症
(Motor Disorders)
 発達性協調運動症、常同運動症、チック症群に分類されます。

・その他の神経発達症
(Other Neurodevelopmental Disorders)

 それぞれについて本記事で詳細に記すことは難しいので、また別の記事で紹介したいと思います。

発達障害に共通する特徴とは?

 ADHD、LD、ASD様々な発達障害の分類がありますが、共通して言えることは、ということがあります。同じような特性であっても、。例えば同じくらいの学力の子であっても、進学校を選ぶのか、部活の強豪校を選ぶのかで大学の進学先は大きく違いますよね。(スポーツ推薦でいい大学にいくこともありますが、学力でいくとなると話は違います。)発達障害でも同じで、環境がとても大切になってきます。

 また、発達障害はカテゴリーで分けられていますが、ということがあります。行動だけを見ても、ADHDからくるものなのか、LDからくるものなのかは簡単に判断はできません。見誤ってしまうと、間違った介入方法を長い間とり続けることになってしまいます。また、精神障害や他の発達障害と併発している可能性もあり、容易に見極めることはできません。これは後ほど詳しくお話したいと思います。

区別が難しい?! 他の障害との鑑別

 研究が進み、分類分けが細かくされるようになった発達障害ですが、実はものなのです。なぜなら、LD、ASD、ADHDはそれぞれ併発している可能性があるからです。

 例えば、「作文が苦手」と言う困り感があったとします。その原因を考える時に、LD特性からくる「書字が難しい」場合と、ADHD特性からくる「集中を持続させて課題に取り組むことが難しい」場合があります。一つの困り感を見ても、それがどの障害から来ているものなかを限定するのは非常に難しいのです。

 ではどのようにして判断していけば良いのでしょうか?それはとにかくが大切です。ADHD特性のために長文を書くことができないのであれば、長文読解も難しいかもしれません。LD特性のために作文ができないのであれば短い文章や簡単な単語も難しいかもしれません。とにかく他の側面からも見つめ、仮説を立てて色々な手立てを考えていくと良いでしょう。

 診断名が重要なのではなく、を一緒に考えていくことこそがお子さんのためになるのです。

まとめ

 私たちは知らずのうちにを持っています。「授業では姿勢良く前を見て座ってなくてはならない」「空気は読むべきものだ」いろいろなものがありますね。その長年をかけて作り上げられた常識というものがバリアになってしまうこともあります。

 「遅刻してはいけない」と言うものもありますが、ADHDの発達特性上タイムマネジメントが難しく、どうしても遅れてしまうことがあります。日本人は特に開始時間に厳しいですが、文化によっては遅刻が当たり前なんてこともあります。そういう文化にいれば発達特性上時間通りに行動することが難しくても、障壁とは感じないはずです。働き方も多様になってきていますので、時間に縛られない職業を選択することで困り感を減らすこともできます。

 繰り返しになりますが、発達障害は周囲の人間や環境が作り出している部分もあります。「多くの人間が同じように動いているのに、特別扱いするなんて!」と言うのもわからなくもないですが、今後はますます価値観が多様化していきます。私たちの人権意識も変わっていかなくてはならないと思います。マイノリティでも活躍する世の中になることを願っています。

  • 発達障害って何?
  • どのような障害があるの?
  • 発達障害に共通する特徴とは?
  • 区別が難しい?! 他の障害との鑑別
  • まとめ

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Yoshi

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教育全般に関わる発信をしていきます。これまでに公立小学校、私立小学校、発達支援のデイサービスでの勤務経験があります。公立中学校にて吹奏楽指導などもしておりました。特別支援教育や心理学、音楽教育などを専門領域としております。ツイッター(@unabaray03)にて教育に関わる発信もしていきます。学位:教職修士

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