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病気 / 障害
最終更新日 : 2021/02/21
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コミュニケーションのしんどさ ーASD(自閉スペクトラム症)って?ー

 近年発達障害と言葉が広まり、広く認知されるようになりました。以前は「本人の努力不足」や「甘え」と言われてしまうこともありましたが、今では脳機能の問題であると捉えられるようになりつつあります。
 先に申し上げておきますが、筆者は「誰もが大なり小なり発達障害の特性を持っている」とも考えています。「自分の子どもは発達障害かも・・・?」過度に心配される親御さんも多いですが、子どもは必ず成長しますし、適切に関われば必ず改善していきますので、ご安心ください。他の発達障害についても記事を上げていますので、是非そちらも合わせてご覧ください。
 今回はASD(自閉スペクトラム症、アスペルガー症候群)について取り上げたいと思います。

ASD(自閉スペクトラム症)の特徴

 今やインターネットで検索すればチェックリストが出てくる時代ですので、あまり細かい説明は必要ないかもしれません。また、項目に当てはまるからといって必ずASDであるとは言えませんのでご注意ください。

 これまで、自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー症候群など様々な呼び方がありました。2013年にアメリカ精神医学会の診断基準であるDSM-5によって自閉スペクトラム症(Autism Spectrum Disorder以下ASDと呼びます。)とまとめられるようになりました。発症率は人口の約1%と言われています。

 ASDの特徴として、大きく次の二つがあります。

1、社会的コミュニケーション、相互関係における持続的困難があること
2、こだわりの強さや限られた対象への強い関心
(参考:DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル)
 
 社会的コミュニケーションについては、相手の感情や場の雰囲気を感じることが苦手で、「空気が読めない」とよく言われることがあります。表情やジェスチャーなどの非言語によるやり取りや、相手の立場に立って考えたり、相手との距離感を掴んだりすることが苦手とされています。

 こだわりが強く、限られた物に対して強い関心を抱きますが、そうでないものには全く興味を示さないこともあります。また、予想外の出来事で混乱しやすく、切り替えが難しいといったこともあります。触覚、聴覚などの感覚刺激に対する過敏さまたは鈍感さが見られるという特徴もあります。

 これらはASDだからといって全て当てはまるわけではありません。人によって症状の出方や大小は様々です。それぞれの困り感も違います。お子さん自身が何に困っているのか、保護者の方が何に課題を感じているのか、しっかり見極めることが大切です。

どのようなことに困ってしまうの?

 ASDを持つお子さんはどのようなことに困っているのか、一つの例を挙げてみたいと思います。

 AASD
 BB

 ASD

 BAA

 BA使A

 ASDを持つお子さんは、傾向としてこうした「すれ違い」を起こしてしまいがちです。それは相手の立場に立って考えたり、相手の感情を読み取ったりすることが苦手という特性からくるものです。言葉の裏にある意味を汲むことは非常に難しいのです。

どのように関わっていけばいいの?

 では、ASDを持つお子さんにはどのように関わっていけばいいのでしょうか?上述の通り、「障害だからできない」と諦めるのは間違いです。適切な関わり方をスキルとして身に付けてもらうことができれば、必ず良い方向に向かっていきます。(むしろ教わる機会のない定型発達のお子さんより上手になる事例もたくさんあります。)ASDのお子さんに対しては次のような支援が効果的とされています。


 目で見て理解することが得意なので、話し言葉よりも、図や絵などの視覚的情報のが入りやすいことがあります。

 先ほど挙げた例の通り、言葉の裏を読み取るのが難しい場合があります。この場合「重い!」ではなく、「降りて欲しい」ということをストレートに伝えると良いでしょう。

 未経験なことに対して抵抗感を持ってしまうことがあるので、変更を前もって伝えたり、見通しを持たせたりすることで最後までやり遂げられる可能性が高まります。

 全体を把握するよりも細かい部分に注目することが得意とされているので、注目する場所を明確にしてあげると必要な情報を伝えやすくなります。

 どこにつまずきがあるのか?何が苦手なのか?はどんな人でも違います。つまずきの原因となっているバリアは何なのか、それを取り除くためにはどうしたら良いのか、そもそも目的は何なのか、によって支援の方法を決めていく必要があります。これ!という正解はないので、一人ひとりオーダーメイドでやっていく必要があります。

ASDの子が活躍できる場所

 人一倍苦手なことがある発達障害ですが、人一倍「強み」もあるのです。ASDの場合、幅広く興味を持つことが苦手な傾向がありますが、興味のあることに対する集中力は凄まじいものがあります。

 教育現場ではプログラミング教育が導入されるようになりました。ASDの特性である「細かいところに注目する」「興味のあることに集中できる」というところで強みを発揮できるようになったお子さんも多くいるようです。「このように動かしたい」という見通しがあり、そのためのプログラムには正解があるので、入り込みやすい方もたくさんいるようです。

 とある会社に勤めるCさんは職場でのコミュニケーションに苦しんでいました。そこでストレスがかかり、仕事での成果も思うようにあげられませんでした。しかし、コロナウイルスの感染拡大に伴いテレワークが導入されたことで、仕事に没頭できるようになり、結果を出せるようになった、という事例もあります。今後は多様な働き方が認められるようになるとされているので、自分に合った働き方を模索していくことができるでしょう。そのためには、何に興味があるのか、何が得意なのか、という強みを確実に見つけていくと良いですね。

まとめ

 「ASDだからこれができない」というようなことはありません。一人ひとり症状の出方は違います。他の発達障害との併発、家庭や学校などの環境要因、その子自身の性格、様々な要素によって困り感も違います。上記の特徴や支援の方法は一つの指標にすぎません。あくまで「その子自身」を見てあげてほしいなと思います。

 発達障害への理解が広まることはいいのですが、正しく認知されているかというとあまりそうは感じません。「あの人って発達障害っぽくない?」と言ったような不必要な差別を生む可能性もあります。この記事を読まれたみなさんには正しい知識を身に付けていただき、ご自身のコミュニケーションに役立ててもらえればと思っています。当然この記事でお伝えできることには限りがありますので、もっと詳しく知りたい方は書籍やインターネットなどで調べてみることをおすすめします。 

  • ASD(自閉スペクトラム症)の特徴
  • どのようなことに困ってしまうの?
  • どのように関わっていけばいいの?
  • ASDの子が活躍できる場所
  • まとめ

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Yoshi

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教育全般に関わる発信をしていきます。これまでに公立小学校、私立小学校、発達支援のデイサービスでの勤務経験があります。公立中学校にて吹奏楽指導などもしておりました。特別支援教育や心理学、音楽教育などを専門領域としております。ツイッター(@unabaray03)にて教育に関わる発信もしていきます。学位:教職修士

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