一番最初の作品である無印のクラッシュバンディクーはソニー・コンピュータエンターテインメントより1996年に発売しました。ゲームのジャンルは3Dのアクションゲーム。また、世界初の「奥スクロール」を取り入れた作品として有名です。「スーパーマリオシリーズ」や「ドンキーコングシリーズ」など、横スクロールのアクションは数多くあれど、クラッシュのような奥スクロールの作品はそれまで一切ありませんでした。画面の奥から迫ってくる岩を手前側に走って逃げるステージや、猪に乗って画面奥へと全力で走っていくステージなど、奥スクロールを活かした要素は当時とても画期的な物で、今でも作品の特徴として多くのプレイヤーから評価を得ています。

ストーリーは主人公のクラッシュが自分が暮らしているタスマニアに、突如やって来た世界征服を企む悪い科学者コルテックスの野望を阻止するというもの。コルテックスに改造され、島を荒らすようになった動物たちを倒しながら、クラッシュが進んで行きます。実はクラッシュ自身もコルテックスに改造されたバンディクートという動物ですが、正義の心に目覚め、島を救うために奮闘しているという設定もあり、実質親子での対決だというプレイヤーも少なくないです。

このゲームの開発元は「アンチャーテッド」などで有名なノーティードッグです。俗に「洋ゲー」と呼ばれる海外発のゲームで、発売当時日本ではあまり受けないと言われていました。確かに社会現象ほどの大ヒットとまではいきませんでしたが、日本でも多くの人の目に止まり、知る人ぞ知る人気作品となっています。

クラッシュバンディクーシリーズには多くのファンに愛されている作品で、今でも新作が出ているほどです。過去作の
リマスターなどに加えて2020年10月2日には新作「クラッシュ・バンディクー4 とんでもマルチバース」も発売されました。ここでは、そんなクラッシュバンディクーシリーズの魅力を紹介して行きます。
前述もしましたが、一番最初にお伝えしたい魅力は、奥スクロールの立体的なステージです。奥から手前へ、もしくは手前から奥へ進んで行くというアクションゲームは、今となってはクラッシュ以外にも存在します。しかし、数多くの3D作品が増えた今でも、この作品の奥スクロールは群を抜いてクオリティが高く、臨場感があります。流石このジャンルを生んだシリーズなだけありますね。キャラクターが画面から飛び出してくる。そんな感覚を味わうことが出来ます。

他の魅力として挙げられるのはキャラクターのコミカルさです。主人公であるクラッシュはバンディクートという動物で、彼のリアクションや動きには動物らしさがあり、見ているだけで面白いです。敵キャラクターもほとんどが動物関係のキャラクターで、可愛いキャラから笑えるキャラまで様々。白くまの子供である「ポーラ」や格闘家のトラである「タイニータイガー」などは特にファンから人気があります。動物が好き、海外のコミックが好きという人はきっとこのゲームのキャラクターの事も好きになるでしょう。

3Dアクションゲームとして始まったクラッシュバンディクーシリーズですが、それ以外のジャンルの作品も存在します。特にレース系のゲームが多く、同じジャンルであってもそれぞれの作品に大きな特徴があります。プレイステーションから発売された「クラッシュバンディクーレーシング」がレースゲームの中では最初の作品です。この作品はシリーズの舞台であるタスマニア島をモデルに作られた、多くのコースを走る事が出来ます。

ご存知の方も多いとは思いますが、このタスマニア島は本当に実在する島です。オーストラリアの最南端に位置する島で、大自然の宝庫と呼ばれています。タスマニア島にはワラビーやカモノハシ、タスマニアデビルといった動物が生息しています。このゲームではこの島をオマージュしたような要素やキャラクターが登場。タスマニアやオーストラリアに知識があると言う人には、はっと驚くような所もあるかもしれません。

レースゲームの中では2019年8月に、ニンテンドーSwitchなどで発売された「クラッシュ・バンディクーレーシング　ブっとびニトロ！」が最新作です。アクションゲームの方のクラッシュバンディクーは少し難易度が高い部分があるので、まずはクラッシュの世界やキャラを知りたい！という方はこちらのゲームからプレイしてみても良いかも知れませんね。