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病気 / 障害
最終更新日 : 2021/02/21
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ADHDってなんだろう? その特徴は・・・

 「発達障害」という言葉はここ数年は急速に広がりを見せました。人一倍できないことに対して本人の努力不足と捉えられていた部分が、脳機能による問題であることが明らかになっています。その一方で言葉ばかりが一人歩きしてしまい、その人に対してレッテル貼りをする材料になってしまっている現実もあります。この記事を読まれた皆さんには正しい知識を身につけていただき、適切な関わり方ができるようになっていただきたいと思っています。「うちの子は発達障害かも・・・?」と過度に不安になる必要はありませんし、もし診断を受けたとしても今や生きやすくなるための手段はいくらでもあります。

 今回はADHDについて取りあげますが、他の発達障害についても別の記事で紹介していますので、そちらも是非ご覧ください。

ADHD(注意欠如・多動性障害)の症状

 ADHDは不注意、多動性、衝動性と大きく3つの症状で知られています。「授業中に離席をしてしまう」「出し抜けに答えて相手を不快に思わせてしまう」というようなことはよく耳にするのではないでしょうか。具体的にどのようなものが現れるのでしょうか。ADHDの症状としては以下のようなものがあげられます。

□不注意症状
・細かな注意ができず、ケアレスミスが多い
・注意を持続することが難しい
・上の空や注意散漫で、話をちゃんと聞けないように見える
・指示に従えず、宿題などの課題がやり遂げられない
・課題や活動の整理ができない
・精神的努力の持続が必要な課題が苦手
・課題や活動に必要なものを忘れてしまうことが多い
・外部からの刺激で注意散漫になりがち
・日々の活動を忘れてしまうことが多い

□多動性/衝動性
・着席中に手足をもじもじしたり、そわそわした動きをする
・着席をしなくてはならない状況で離席する
・不適切な状況で走り回ったり、何かによじ登ったりする
・静かに遊んだり余暇活動に取り組むことができない
・衝動に駆られて動いてしまい、じっとしていることが難しい
・おしゃべりが多い
・質問が終わる前に出し抜けに答えてしまう
・順番待ちが苦手
・他の人の邪魔をしたり、割り込んだりしてしまう

参考 American Psychiatric Association ”What is ADHD?”, DSM-5

 ここに挙げられているのは傾向であり、ADHDだからといって全て当てはまるわけであはりません。また、症状の組み合わせや特徴が強く出るかどうかも個人差が非常に大きいです。また、幼児期、学齢期、成人と年代によっても特徴は変わってきます。インターネットで調べるとチェックリスト等で傾向をみることができますので、是非そちらもご覧ください。

環境要因とADHDの症状について

 以前ではADHDは親の教育の問題、家庭環境の問題と考えられてきました。「ちゃんとしつけていないから暴れてしまうんだ!」というように言われてしまうこともありました。現在では脳神経系の機能不全(遺伝要因)が主要な要因であるという考え方が主流となり、適切な対処法などの研究も進んでいます。

 しかし、環境要因も決して無視できるものではありません。離席や不適切な場所で駆け回ってしまうのは本人の意思でしょうか?そうではなく、モーターニーズ(動きたい欲求)の高さから来ています。そのような原因があるにも関わらず、「座りなさい!」と怒鳴りつけたところで改善するでしょうか。力任せの指導ではお子さんに強いストレスを与えてしまい、逆効果になってしまうこともあります。後天的な心理的ストレスの影響による症状の悪化と言えますが、次に説明する二次障害の原因ともなります。

 現代ではまだ解明はされていませんが、次のような環境要因があるのではないかと考えられています。

・母親の喫煙
・母親のアルコール
・虐待などの心理社会的ストレス

参考: 
今村明 他
「注意欠如・多動症発症のエピジェネティクス仮説ー成人期発症と児童期発症との違いの解明に向けてー 」精神経誌(2018)120巻11号

 今はまだ仮説の段階ですが、妊娠中の母親の行動によってADHD症状が出やすいという報告もあるようです。また、必要な支援を受けているかどうかによっても特性がどのように目立つかもかわってきます。環境要因が明らかになれば発症をおさえたり、発症しても正しい対応の幅が広がりそうですね。

二次障害の可能性・・・反抗挑戦性障害って?

 発達障害を持っていることによる二次障害の可能性というのも考えられます。ADHDの場合、「反抗挑戦性障害」というものがみられることがあります。特徴としては親や教師など目上の人に対して拒絶的・反抗的な態度をとり、口論をしかけるなどの挑戦的な行動をおこしてしまうということがあります。

 反抗挑戦性障害が起こる原因としては、生育歴が大きく影響してきます。ADHDの症状としては、離席してはいけない場面で離席してしまったり、落ち着きがなかったりといわゆる問題行動として現れてきてしまうので、大人から頭ごなしにしかられ、行動を抑圧されてしまうことが多いです。そういった反抗心が少しずつ蓄積され、二次障害として出てきてしまいます。好き嫌いや性格などの遺伝的要因もあるので、完全には解明されていないのが現状ですが、必要な支援を受けられていないことが大きな原因として考えられます。他にも自尊感情の低下やいじめ、不登校の原因ともなり得ます。

参考:ICD-11 世界保健期間(WHO)https://icd.who.int/en/

どう関わればいいの?

 仮にお子さんがADHDを持っていたとして、どのように関わっていけばいいのでしょうか?主に不注意、多動性、衝動性の三つから考えていきます。「とりあえずこれをやっとけば間違いない」というものは存在しません。同じADHDという診断がついていても、多動性が優位であったり、不注意が優位であったり、症状は様々です。あらゆる方法を試してみる前に、「どこに弱みがあるか?」逆に「何が得意か?」をよく知った上で実践しましょう。


 集中力が続かない傾向があり、話を聞けずに空想の世界にいってしまったり、手遊びをしてしまうことがあります。話を聞いていないと感じた時は、必ず注意を引き付けて、目が合ったことを確認してから話すようにしましょう。肩に手を置いて話すという方法もあります。

 また、課題をやり遂げることができないことがあります。原因としては、注意が他の方向にいってしまう、飽きてしまうということがあります。周囲の刺激を減らすために、作業や学習場所の目に入るところに余計なものを置かないことが大切です。また、見通しが持てないことで飽きてしまうので、量を調整したり、小出しにするなどして集中を保てる工夫をすると良いです。


 動き回れないようにするのはNGです。むしろ、適切に動ける環境を用意しましょう。椅子に座っていられない場合、おしりにバランスディスクなどを敷く、箱にバランスボールを入れてそこに座るなどをすることで、ある程度動きたい欲求を満たすことができます。課題に飽きて歩き回ってしまった時はお手伝いをお願いしてみてはどうでしょうか。正当な理由を持って動くことができ、かつ他者貢献になるので、自己有用感を感じることもできるようになるでしょう。


 人の会話に割って入ってしまったり、邪魔をしてしまったり、暴力をふるってしまったりすることがあります。感情のコントロールが難しいことがありますので、どうしてそのような行動をしたのかを聞き、共感的に受け止めてあげましょう。また、怒りが爆発してしまいそうな時、その場を離れてクールダウンできる場所を用意してあげると良いです。何かあった場合に自分からそこに行けるように訓練すると、少しずつコントロールができるようになってきます。

まとめ

 誤った指導をしてしまうと、二次障害として将来的にお子さんにとって不幸なことが起きてしまいます。そうならないためにも、正しい情報を仕入れてください。また、「ADHDだからできない」と諦めるのは間違いです。訓練と関わり方で大きく変わってきます。「だめなことはだめ」としっかり伝え、適切な行動を促していきましょう。
 傾向として小さい頃から怒られることが多く、非承認感を持っているお子さんが多いので、できた時や貢献できた時はしっかりほめてあげましょう。不適切な行動を取らなかったときに「我慢できたね!」とやらなかったことをほめてあげることも大切です。
 不注意・多動性・衝動性と分類はされていますが、色々なものが組み合わさっていたり、程度にもばらつきがあります。重要なのはお子さんの特性をきちんと理解することです。

  • ADHD(注意欠如・多動性障害)の症状
  • 環境要因とADHDの症状について
  • 二次障害の可能性・・・反抗挑戦性障害って?
  • どう関わればいいの?
  • まとめ

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Yoshi

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教育全般に関わる発信をしていきます。これまでに公立小学校、私立小学校、発達支援のデイサービスでの勤務経験があります。公立中学校にて吹奏楽指導などもしておりました。特別支援教育や心理学、音楽教育などを専門領域としております。ツイッター(@unabaray03)にて教育に関わる発信もしていきます。学位:教職修士

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