A,B,Cは行列、kは実数とします。
(kA)B=A(kB)=k(AB)
結合法則
(AB)C=A(BC)
分配法則
(A+B)C=AC+BC
A(B+C)=AB+AC
注意すべきこととして、
行列の積の交換法則AB=BAは常に成り立つとは限りません。AB=BAが成り立つとき
AとBは交換可能であるといいます。
n次の正方行列で、
(1,1)成分、(2,2)成分,・・・,(n,n)成分
がすべて1であり、
その他の成分が0である行列を
n次の単位行列Eといいます。
単位行列は、行列の積において
AE=EA=A
というような関係を成り立たせる行列です。
ふつうの数の掛け算でいうところの
1の倍数のような立ち位置にあります。
Oでない行列で、
AB=O
を成立させる行列A,Bを
零因子といいます。
つまり、
AB=O ⇒ A=O または B=O
とは
限りません。また、行列の積は交換法則が成り立たないので
AB=Oであったとしても
BA=Oとは
限りません。ここは、ふつうの数の掛け算と性質が異なるので
注意が必要です。
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1年前